錫器(すずき)を高価買取!中国美術の査定ポイントを徹底解説!

1.錫器を売りたいお客様へ

「錫器」は、日本でも「薩摩錫器」や「大阪錫器」など有名なものが数多くありますが、そのルーツは中国の金属工芸にあったと言われています。 中国古来の「錫器」は中国美術品・骨董品としても価値が高く、主に中国美術品市場で取り扱われています。「錫器」と聞くとどのような形状かイメージが湧きづらい方も多いかも知れませんが、その種類は実に多く、酒器、花瓶、茶壺、茶心壺、急須、茶托、煎茶道具が主にな種類となります。

2.錫器についての解説

「錫器」は金属品のルーツとも言え、状態が良い品物は金属品特有の光沢がかった質感を持ちます。しかし、古いものは黒ずみなどの変色が見られるのが一般的で、中国美術品市場においてもそういったものが多く出回っています。 お手持ちの金属骨董品が「錫器」かどうか見分けるには、器に「純錫」の刻印があるか確認してみましょう。鉛などと混ぜられた合金素材のものは純錫の印がつきませんが、全体が錫から作られたものなら純金・純銀製品のように「純錫」の印が付けられています。

3.錫器の歴史

かつて中国で「錫器」が作られた背景には、「錫の加工のしやすさ」があったと考えられます。 中国へ錫が伝わったのは古代エジプトの金工技術が紀元と言われていますが、紀元前1520年頃、中国へその技術が伝わると瞬く間に金属加工技術が発展しました。 錫は自然界に存在する他の金属に比べて融点が低いだけでなく害が少ない金属として知られ、多種多様な形状、デザインの金属品生産には欠かせない素材となっていきました。 中国では後に鉛と錫を混ぜ強度を高めた「青銅」が盛んに生産されましたが、錫特有の「錆びにくさ」や「硬さ」が評価を得て、食器や日用品に用いられたようです。 「錫器」が日本へ伝わったのは飛鳥・奈良時代、中国から茶が伝わった頃だと言われています。このようなことから、中国では茶器や茶壺を中心に多くの「錫器」が生産されていたことが伺えます。

4. 錫器の代表作や作者

  • 大阪浪華錫器(かつて遣隋使によって日本に伝えられ、現在でも技術と製品が受け継がれています)
  • 茶心壺
  • 酒器
  • 急須

5. 錫器の買取査定ポイント

「錫器」として評価が高くなるのは、合金ではなく「純錫」の品物です。 形状やサイズは品物によって様々ですが、大きさだけでなく点数が揃っている「錫器」なら高評価となるでしょう。そのほか、以下のような査定ポイントによっても評価が分かれます。
  • 保存状態は良好か
  • 共箱や証明書などの付属品が揃っているか
  • 制作年代や作者が分かる「在銘」のもの
  • 彫刻や透かしなどの細かなデザインがあるか
  • 茶道具かどうか(人気が高まっているため高評価)

6.錫器の取引相場価格

平均取引価格は15,000円前後です。「錫器」の取引市場では国産のものも多く出回っているため取引価格を判断しづらい傾向がありますが、祖先から代々受け継いできた「錫器」や故人が中国で購入していた「錫器」などは「中国美術品・骨董品」としての価値がつきやすくなっています。 また、サイズが小さいものでも点数(客数)が揃った茶托なら高額で取引されるケースが多く、5客セットの茶托が30,000円近い価格で取引されたこともあります。

7.錫器の買取についてのまとめ

青銅器や鉄器とは異なり、錆びを起こさないのが「錫器」の特徴です。銅製品と同様に水分の性質を損なわないだけでなく加工が容易な錫は、古代中国で茶の発展とともに多く活用されてきました。 シンプルですが実用的な一面も持った「錫器」は、日本でも古くから現在まで人々に愛され続けています。 中国美術品コレクターだけでなく茶道家からの需要もあるため、近年では「錫器」の中でも茶道具が積極的に買取されているようです。貴重な中国由来の「錫器」は、日本製のものに比べて高評価を得やすいでしょう。