松井 康成(まつい こうせい)を高価買取!陶芸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.松井康成を売りたいお客様へ

松井康成とは、昭和から平成にかけて活躍した陶芸家です。結婚を機に住職になるも、趣味だった古陶磁の研究が高じて陶芸家の道を歩むことになった人物です。陶芸家の田村耕一のすすめにより練上手の技法に専念し、1993年に練上手の技法で重要無形文化財保持者として人間国宝に認定されました。松井康成が作り出す色彩豊かな作品は、練上の技法による表現の可能性を大きく広げたといえるでしょう。

2.松井康成についての解説

松井康成の作品は、色の異なる土を組み合わせて成形する練上手が特徴となっています。通常、色の異なる土を組み合わせると土の収縮率の違いから、焼きの段階で割れてしまうことが多いといわれています。しかし、松井康成は発色の良い呈色剤を加えて、同じ性質でも異なる色の土を作り出すようにしました。そうすることで、焼成の段階で失敗することがなくなり、練上手の技法による表現世界を広げていきました。

3.松井康成の歴史

長野県生まれの松井康成は1957年、30歳のときに月宗寺の住職の娘と結婚して浄土宗の住職となります。33歳の頃には、寺の境内に窯を築いて中国や日本の古い陶磁の写しを制作するようになりました。その後、松井康成の素質を見抜いた田村耕一は、練上手の技法をマスターすることに特化するようすすめます。その後、練上手の技法の習得に努めた松井康成は、1969年に行われた第9回伝統工芸新作展に「練上手大鉢」を出品し、初入選を果たします。それ以降さまざまな賞を受賞し、それまでの練上手の技法にはない独自の世界を切り開いていきます。

4.松井康成の代表作や作者

『練上玻璃光大壷』 『練上玻璃光黄珠文壷』 『三層象裂壷』 『練上扁壷』 『釉裏堆磁皿』

5.松井康成の買取査定ポイント

松井康成の作品の買取査定ポイントは、人気のある作品であるかどうかにあるといえるでしょう。練上手の技巧を習得しただけではなく、さらに昇華させた松井康成の作品には、「玻璃光」のほか、「嘯裂」や「象裂磁」、そして「堆磁」や「風白地」といった技法が見られます。いずれも表現力豊かな技法ですが、これらの技法の中でも華やかで人気のある技法や希少な技法を使った作品は高額査定の可能性が高いといえます。さらに、共箱や共布等の付属品が揃った状態で査定をお願いするなら、より高い金額で買取してもらうことができるでしょう。
  • 人気のある作品かどうか
  • 共箱や共布は付いているか
  • 作品の保存状態が良好か

6.松井康成の買取相場価格

松井康成の作品の買取相場価格は、約5万円から50万円ほどだといえます。晩年の作品だといわれている「練上玻璃光壷」は共箱・共布が付いており、約45万円で取引されました。また、松井康成作品の中でも希少だといわれている「堆磁象裂文壷」は、うっすらと浮かび上がった富士山が幻想的な作品となっています。共箱が付いたこちらの作品は、約33万円で取引されました。さらに、松井康成の秀逸作である「晴白練上香炉」は、経年による汚れがある作品ながらも22万円で取引されました。共箱や栞が付いているこちらの作品は、青と白が基調になっており美しく上品な作りの香炉となっています。

7.松井康成の買取についてのまとめ

数ある陶磁器の中でも、高度な練上手の技法を駆使した作品は人気が高く比較的高額で買取されています。練上手の人間国宝に認定された松井康成の作品も例外ではなく、保存状態が良い人気作品であれば、高額査定が期待できるでしょう。松井康成の作品ははっきりとした発色の作品もあれば、わずかな色の変化を楽しむ繊細な作品もあり、懐の深さを感じさせてくれます。