筆(ふで)を高価買取!中国文房具の査定ポイントを徹底解説!

1.筆を売りたいお客様へ

「筆」は書道に欠かせない品物ですが、中国骨董品として出回る筆の多くは中国美術品としても収集されています。そのため、先代から受け継いだ「珍しい筆」や「中国語が彫られた筆」などは、思いもよらない価値を秘めているかもしれません。 日本人にとっても身近な存在である「筆」のルーツを辿り、中国骨董品・美術品における「筆」の在り方を見ていきましょう。

2.筆についての解説

日本では古くから「筆」で文字を記す文化が伝承されてきましたが、筆の起源は非常に深く、古代中国にあったと言われています。 中国の歴史的書物や出土品では、現在から遡ること4,000年も前には既に「筆」が作られていたと記され、形を変えながら現代まで至ったようです。 そんな「筆」は、中国では「文具四宝」と呼ばれる書道具に分類され、硯、墨、紙に並ぶ四大文具の1つとして知られています。毛筆部分の主な材料は馬、羊、狸、イタチ、猫などの獣毛が使用され、毛の長さや硬さなども含めると非常に多くのバリエーションがあります。 中国で生産された「筆」は「中国筆」や「唐筆」などと呼ばれ、書道家をはじめ、中国美術品コレクターの間で取引されます。

3.筆の歴史

現存する最も古い「筆」は、兎の毛を用いた「長沙筆」だと言われています。長沙筆は戦国時代の楚(~紀元前223)の頃には既に作られていたことが発見されていて、続く秦代には毛筆に様々な毛を混ぜた兼毛筆が作られるなど、多くの改良がされてきました。 漢代に入る頃には、「居延筆」と呼ばれる現代筆のルーツが出来上がったと言われています。日本においては仏教の信仰とともに文字を書き起こすための道具として「筆」の加工技術が発展してきましたが、中国における「筆」の役割と言えば、時代の変化とともに実用性から観賞性へと変化していったようです。 中には実際に文字を書くには適さないサイズや重さの「筆」も作られたようで、そういったものは一層美術品としての価値が高まりました。

4. 筆の代表作や作者

  • 双羊牌
  • 金鼎牌
  • 火炬牌
  • 大極牌
  • 宿浄純羊毫

5. 筆の買取査定ポイント

「筆」は文房四宝の中でも使用による劣化が著しい品物のため、買取査定では状態が考慮されます。とはいっても、「筆」の美術的価値は毛筆部分以上に「筆管(筆の柄部分)」にあるとされているため、素人目では確かな価値を判断しづらいのが特徴です。 筆管は、主に銘や絵付けの有無、作られた年代で評価が分かれています。以下の査定ポイントを参考にお手持ちの「筆」を確認してみてはいかがでしょうか。
  • 保存状態は良好か(傷や破損箇所がないか)
  • 製作年代がはっきりしている、作者が分かっているか(証明書があると尚良し)
  • 希少な獣毛が使われているか
  • 一式揃っているか

6.筆の取引相場価格

筆の平均取引価格は10,000円前後です。未使用の「筆」は生産当時の状態のまま保存しやすいため状態が良く、買取査定でもプラスの評価がつきやすくなっています。 また、在銘によっては高評価が付けられる品も多く、宿羊毫の筆は単品でも67,000円の取引価格がついたことがあります。

7.筆の買取についてのまとめ

日本では実用性が重視される「筆」ですが、中国においてはコレクションとしての価値が高い品物です。 中国美術品・骨董品の需要高騰に伴って日本国内でも「中国筆(唐筆)」を収集する方がいるため、今後もその価値が著しく下がることは考えられにくいのではないでしょうか。 美術的価値を秘めた「筆」をお持ちの方は、”代表的な査定ポイント”を参考に「筆」の状態や銘の有無を確認してみましょう。