伊藤赤水を高価買取!陶芸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.伊藤赤水を売りたいお客様へ

伊藤赤水は、佐渡金山で採ることができる、無名異(むみょうい)と呼ばれる陶土を使った無名異焼の陶芸家です。江戸後期に加賀から佐渡にやってきた伊藤甚兵衛が作陶をはじめたときには素焼きの実用的な軟質陶器が多かったものの、後世の伊藤赤水によって洗練された硬質陶器に変わっていきました。現代無名異焼の大家である伊藤赤水の作品は、キメ細やかな器肌と朱色が特徴となっており、味わい深い作風が陶芸愛好家の間で人気の陶芸家です。

2.伊藤赤水についての解説

伊藤赤水の作品は、鉄分を多く含んだ赤土の陶土を酸化炎から中性炎で焼いて朱色にしたものが多いのが特徴です。そのため、かつては朱色ではなく、酸素の状態と炎の強弱の加減によって黒く発色してしまった陶器は不良品とみなされていました。ところが、人間国宝である五代目・伊藤赤水によって、朱色の部分と酸素の乏しい還元炎で焼かれた黒色の部分を引き立て役にした窯変(ようへん)が作品に取り入れられました。さらに、練上げと呼ばれる色合いの異なる粘土を使用する技術を用いて、色彩豊かな無名異焼を作り出しています。

3.伊藤赤水の歴史

伊藤赤水は赤水窯を継承する陶芸家の名前で、初代から数えると100年以上の歴史を誇る大家です。酸化鉄を含んだ陶土に用いて高温焼成した、佐渡の伝統工芸である無名異焼は、1819年に伊藤甚兵衛が無名異を使って楽焼を製造したことに始まったとされています。明治初頭から伊藤赤水を号とするようになり、現在は1977年に五代目・伊藤赤水を襲名した当代が、赤と黒のコントラストが美しい無名異焼を世に送り出しています。窯変と練上げを作品に取り入れたことで幅広い表現力を得た当代・伊藤赤水は、2003年に人間国宝に認定されました。

4.伊藤赤水の代表作や作者

『無名異 手ひねり菊図菓子器』(三代・伊藤赤水) 『無名異 兎図花瓶』(四代・伊藤赤水) 『練上花紋盃』(五代・伊藤赤水)

5.伊藤赤水の買取査定ポイント

伊藤赤水の買取査定ポイントは、何代目の作品かによって買取価格が異なることにあるでしょう。もちろん同じ作家のものでも種類や箱書きの有無で査定金額が異なる場合もありますし、図案や技法によって査定に大きな違いが生じることもあります。伊藤赤水であれば、国の重要無形文化財に認定され、国内だけではなく海外でも高い評価を受けている当代の作品が高額で取引される可能性が高いでしょう。
  • 共箱や共布が付いているか
  • 人気のある作家のものか
  • 鑑定書が付いているか
  • 保存状態は良好か

6.伊藤赤水の取引相場価格

芸術性を兼ね備えているだけではなく、実用的な伊藤赤水の作品の取引相場価格は、およそ2万円~数十万円となっています。種類にもよりますが、茶器やぐい吞みなどよりも花瓶や壺が高額で取引される傾向にあるようです。五代・伊藤赤水の「無名異」の場合、合箱が付いたものが約5万円で取引されています。また、同じく五代・伊藤赤水の「無名異焼 練上皿」の場合、共箱と共布が付いた作品が20万円ほどで取引されています。また、「現代日本の陶芸」に登録されている、共箱と共布、そして作品集が付いた五代・伊藤赤水の「無名異 窯変大壺」は、約65万円で取引されました。

7.伊藤赤水の買取についてまとめ

伊藤赤水は実用的な磁器を探している方にも、芸術品として磁器を収集している方にも人気のある作品が多いのが特徴的だといえるでしょう。温かみのある朱色の磁器は、使う度に味わい深さを増していきます。特に、無名異焼でお茶やお酒を飲むと美味しいと通の間では評判の磁器ですから、人間国宝である当代の作品ではなくても買い手はあまたであるはずです。もしも少しでも高額買取を希望しているのであれば、共箱や共布、そして鑑定書などの付属品が揃っている状態で取引をすると良いでしょう。