金城 次郎(きんじょう じろう)を高価買取!陶芸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.金城次郎を売りたいお客様へ

金城次郎は、明治から昭和にかけて活躍した沖縄生まれの陶芸家です。十代前半から製陶業に携わり、琉球陶器の継承者となりました。金城次郎は特に壷屋焼の作陶を行い、1985年に沖縄初の人間国宝に認定されました。素晴らしい美しい海が特徴の沖縄らしく、金城次郎の作品には魚紋と海老紋が多く見受けられます。躍動感に満ちた彼の作品は、朗らかで大らかな沖縄の海を体現しているといえるでしょう。

2.金城次郎についての解説

琉球陶器では魚紋や海老紋が作品に使用されることが多いですが、金城次郎の描くそれらの紋は、実に躍動的で「笑顔」が特徴となっています。益子の陶芸家・濱田庄司は、「笑った魚や海老を描ける名人は、彼以外にいない」とまで述べている通りです。卓越した轆轤の技術を持っていた金城次郎ですが、釉薬の流し掛けや指書きによる装飾など、益子焼などでみることができる技法を琉球陶器に取り入れ、独創的な琉球陶器を完成させました。装飾的な美よりも実用の美を好んだ金城次郎は、素朴で実用的な作品を数多く制作しました。

3.金城次郎の歴史

金城次郎は那覇市で壺屋焼の名工であった新垣栄徳に師事し、わずか13歳で製陶業に従事します。河井寛次郎や濱田庄司といった陶芸家と親交を深め、民芸思想に共感していきました。終戦後には作陶に専念し、沖縄の美術展や公募展で入賞や受賞を繰り返します。栃木や鹿児島、丹波などの窯を視察し、各地の伝統技法を学びました。1977年には「現代の名工100人」の中の一人に選ばれ、1985年には琉球陶器の技法で人間国宝に認定されます。

4.金城次郎の代表作と作者

『線彫魚紋大皿』 『飴釉指描茶碗』 『二彩酒器』

5.金城次郎の買取査定ポイント

金城次郎の買取査定ポイントは、真作であるかどうかを証明できるかという点になります。琉球陶器では魚や海老の絵柄の付いた磁器が珍しくありませんから、金城次郎の作品であることを証明できる鑑定書が付いているかなどが、大きな査定ポイントになるでしょう。さらに、市場需要がある作品であるかどうかも重要なポイントです。控えめな釉調ながらも、ダイナミックな金城次郎の作品には、熱烈な支持者が存在します。特に、存在感のある壷は高額で取引される場合があるため、市場需要の高い種類の作品だといえるでしょう。
  • 真作であるかどうか
  • 市場需要のある、人気のある作品か
  • 共箱や鑑定書などが付いているか

6.金城次郎の取引相場価格

金城次郎の取引相場価格は、約2万円~60万円ほどだといえるでしょう。金城次郎の「魚海老紋大壷」は共箱・共布、そして栞付きで60万円で取引されました。こちらの作品は、金城次郎の晩年作で、人間国宝認定後に制作されたものであるとされています。高台内に「次」の銘が入っていることも、真作であることの証明となり高額で取引されたのも頷ける逸品です。さらに、大胆な図案が素敵な「壷屋焼海老文大皿」は、共箱などの付属品は付いていませんが、約43万円で取引されています。底山に傷がある作品ですが、金城次郎の熱心なコレクターであれば、なんとしてでも手に入れたい銘品だといえるでしょう。

7.金城次郎の買取についてのまとめ

琉球陶器、中でも壷屋焼の第一人者である金城次郎の作品は、シンプルな造形と落ち着いた釉調、そして豪快な海の幸が描かれている優れたものです。決して煌びやかな磁器ではありませんが、壷屋焼の特徴とも呼べる上焼(じょうやち)の黄土と灰を混ぜた黒釉はほっこりとした穏やかな表情を与えます。作品の種類にもよりますが、金城次郎は琉球陶器を代表する陶芸家ですから、比較的高い値段での買取取引を見込むことができるかもしれません。