酒井 田柿右衛門(さかい だかきえもん)を高価買取!陶芸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.酒井田柿右衛門を売りたいお客様へ

酒井田柿右衛門は、古い歴史を誇る有田焼の陶芸家です。江戸時代から続く伝統的な柿衛門様式と呼ばれる色絵技術を特徴としており、有田焼を代表する陶芸家として代々技術を受け継ぎ、発展させていきます。有田焼が全国的に知られるようになったのは、明治時代以降ですが、それ以前は伊万里焼や肥前焼とも呼ばれていました。華奢な印象を与える色絵磁器の酒井田柿右衛門の作品ですが、高温で焼成されるため硬質陶器の分類に属し、美しいだけではなく丈夫で耐久性に優れています。

2.酒井田柿右衛門についての解説

なめらかな感触と繊細な色絵が素晴らしい酒井田柿右衛門の作品は、ドイツの名窯であるマイセンにも大きな影響を及ぼしたとされています。酒井田柿右衛門は、濁手(にごしで)と呼ばれる温かみのある乳白色の磁器の地肌に、赤色の色絵を描いて柿右衛門様式を完成させました。通常、多くの白磁は青みを帯びていますが、酒井田柿右衛門は色絵がもっとも映える、柔らかい乳白色の磁器を用います。一時的に断絶するも、濁手は十二代と十三代・酒井田柿右衛門の尽力で現代に蘇り、日本の美意識を反映した磁器として人気を博しています。

3.酒井田柿右衛門の歴史

初代・酒井田柿右衛門は、17世紀に赤絵磁器の焼成に成功します。初代から四代までが初期・酒井田柿右衛門と呼ばれていますが、これらの作風はほぼ変わらず、技量も非常に高かったといわれています。次いで、五代から七代までを中期・酒井田柿右衛門と呼びますが、この時期に高い技術が求められる濁手の作品が途絶えることになります。そして、八代から十代を後期・酒井田柿右衛門と呼びますが、この時期には主に染付の磁器が制作されました。十一代は海外に積極的に出品し、十二代と十三代の時代に柿右衛門様式の特徴ともいえる濁手を復活されました。1971年には重要無形文化財に指定されており、現在は十五代当主が酒井田柿右衛門として活躍しています。

4.酒井田柿右衛門の代表作や作者

『色絵草花文蓋物』(十二代・酒井田柿右衛門) 『色絵八角大鉢』(十二代・酒井田柿右衛門) 『染錦龍文香合』(十三代・酒井田柿右衛門) 『濁手草花文鉢』(十三代・酒井田柿右衛門) 『濁手三方割花文』(十四代・酒井田柿右衛門)

5.酒井田柿右衛門の買取査定ポイント

美しい赤絵と磁器の余白が素晴らしいコントラストを生み出している、酒井田柿右衛門の作品の買取査定ポイントは、人気のある作者の作品であるかどうかという点が挙げられます。約400年近くも続く伝統的な陶芸家だけに、栄華を極めた時代もありましたが、衰退した時代も経験しています。そのため、初期の酒井田柿右衛門は当然のことながら、濁手を復活させた代以降の酒井田柿右衛門の買取査定額は高額になる見込みがあります。
  • 人気の作者の作品であるか
  • 共箱や鑑定書などの付属品が付いているか
  • 保存状態は良好か

6.酒井田柿右衛門の取引相場価格

酒井田柿右衛門の取引相場価格は、約4万円~100万円以上となっています。国内だけではなく、世界的にも高く評価されている酒井田柿右衛門ですが、十四代の「濁手桜花文額皿」は共箱付きで120万円で取引されました。さらに、十三代の晩年の作品といわれている「濁手合歓文蓋物」は、80万円ほどで取引されました。1962年制作とされる、余白の美が美しいこちらの作品は、保存状態が良好かつ共箱付きで買取取引がとなされました。

7.酒井田柿右衛門の買取についてのまとめ

有田焼を代表する酒井田柿右衛門の作品の中でも、濁手作品は高額での取引が期待できるでしょう。特に、濁手作品には難しいとされている金彩の上絵付が施されている作品は人気があるため、査定額にもその人気が反映されるといえます。海外でも高い評価を得ている酒井田柿右衛門の作品ですが、初期・酒井田柿右衛門ではなかったとしても、芸術性の高い近代の酒井田柿右衛門の作品は市場需要も高いでしょう。