塚本 快示(つかもと かいじ)を高価買取!陶芸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.塚本快示を売りたいお客様へ

塚本快示は、中国北宋期の青磁や白磁を研究した陶芸家です。景徳鎮窯で白磁の技術が確立された時代の中国陶器を学んで青白磁を作陶し、その磁器に片切彫(かたぎりぼり)を施しました。塚本快示の作品はシンプルな造形と釉の濃淡が味わい深いものですが、1983年には白磁・青白磁の人間国宝に認定されます。清涼感溢れる作品が魅力の塚本快示は、飾っておくだけの磁器ではなく、現代に息づく磁器の制作を重視することにより、日用品の制作も積極的に行ないました。

2.塚本快示についての解説

中国に白磁が登場したのは、6世紀頃といわれています。その後まもなく青みがかった青白磁が登場しますが、塚本快示は江西省の景徳鎮窯で作られた古い磁器を研究します。中国の白磁は17世紀に日本に伝わったといわれていますが、日本国内では白磁は染付や色絵の下地と考えられており、純粋な白磁の生産はほぼなされていませんでした。塚本快示は中国の白磁を再現し、輪郭が際立つように外側から削って段を付ける片切彫による模様を付け、薄作りで繊細な作品に仕上げました。

3.塚本快示の歴史

塚本快示は、岐阜県の土岐市の美濃焼の窯元の家に生まれます。家業を手伝って美濃焼の作陶を行っていた塚本快示ですが、1939年に小山富士夫に師事するようになります。それがきっかけになって青白磁の研究を行うようになり、中国宋代の白磁の技法を再現しました。その後、さまざまな賞を受賞していきますが、後年になるにつれその作風にはさらに磨きがかかるようになります。独自の配合の素地が半乾きの間に片切彫によって彫花紋を入れた作品は、清らかで爽やかな印象を与えるものです。

4.塚本快示の代表作や作者

『青白磁彫花鉢』 『白磁壷』 『花彫文白磁合子』 『青白磁大皿』

5.塚本快示の買取査定ポイント

塚本快示の買取査定ポイントは、保存状態の良さにあるといえます。塚本快示の作品は、派手で華やかさが魅力の色絵や染付とは異なり、非常にシンプルな青白磁です。シンプルな磁器だけに、保存状態の良し悪しがすぐにわかってしまうでしょう。ゴツゴツした土の感触が味わえる類の磁器であれば、多少の傷やひびも作品に風格を与えるものとなるかもしれません。しかし、清らかな白磁にシミはもちろん、ひびや欠けなどがあると高額査定を得ることはできません。保存状態の良さと真作保証、さらに付属品が揃っていれば、査定のときに高い金額を提示される可能性もあります。
  • 保存状態の良さ
  • 真作かどうか
  • 共箱などの付属品が揃っているか

6.塚本快示の取引相場価格

塚本快示の取引相場価格は、約1万円~10万円ほどとなっています。柔らかい陶土を使用した繊細な作品である「白磁蓮華文水指」は、共箱と外箱が付いて約8万円で取引されました。こちらの作品は保存状態も良く、本物であることが証明されています。また別の例として、透き通るかのような青白磁が美しい「青白磁輪花」は、すっきりとして造形と幻想的な文様が秀逸な作品です。こちらは、共箱と栞が付いて約3万5千円で取引されました。さらに、同じく青白磁である「青白磁 唐草」は、器の中央に描かれた大胆な唐草模様が優美かつ保存状態の良い作品です。この作品は共箱と共布が付いており、約3万円で取引されています。

7.塚本快示の買取についてのまとめ

塚本快示の作品は、洗練された造形とうっすらと浮かび上がってくるかのような片切彫が特徴的です。けっして派手な磁器ではなく、装飾性も高いとはいませんが、青白磁には染付や色絵陶器にはない魅力があります。もしも塚本快示の作品の買取を希望しているのであれば、作品の保存状態が良いことを確認しておくようにしましょう。