藤田嗣治(ふじた つぐはる)を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.藤田嗣治を売りたいお客様へ

藤田嗣治は、エコール・ド・パリ(パリ派)の代表的な絵画作家です。モディリアーニやシャガールらと並ぶ優れた作品を数多く残した藤田嗣治は、フランスに帰化した後は洗礼名のレオナール・フジタとしても知られるようになります。猫と女性を題材にした絵を得意としており、日本画で用いられる面相筆による細い線描は彼の作品に繊細さを与えています。生存中から才能を認められた藤田嗣治は、油彩画に日本画の技法を取り入れて成功を収めました。

2.藤田嗣治についての解説

観察眼に優れた藤田嗣治はデッサン力が素晴らしく、すごい勢いで通り過ぎたオープンカーの中の人物たちを正確に描くことができたとまでいわれています。世間で天才と評されるほど高いデッサン力を培っていたからこそ、面相筆の技法を活かすことができたのでしょう。さらに、藤田嗣治の作品の特徴として、その当時誰も真似ができなかった「乳白色」が挙げられます。近年、ようやく藤田嗣治の「乳白色」の製法の秘密が明かされ、硫酸バリウムと炭酸カルシウム、そして滑石などが画面表面に使用されていることがわかりました。彼の作品を特徴づける「乳白色」ですが、残念ながらこの技法が用いられた作品は経年劣化しやすいといわれています。

3.藤田嗣治の歴史

1886年、東京都の医者の家に生まれた藤田嗣治は、子どもの頃から絵を描いており、高校を卒業する頃には画家になってフランスに留学したいと考えていました。1905年には東京美術学校に入学し、5年在籍した後に卒業します。1913年にフランスに渡った藤田嗣治は、キュビズムやシュールレアリズムなどの絵画に衝撃を受け、自身の作風を一新する決意をしました。その後、フランスで成功を収めた藤田嗣治は、1925年にレジオンドヌール勲章を授与されます。何度か帰国する機会がありましたが、結局戦後の閉塞的な日本の状況に愛想をつかした藤田嗣治は日本を去り、1955年にフランスに帰化しました。

4.藤田嗣治の代表作品

「自画像」1910年 「寝室の裸婦キキ」1922年 「五人の裸婦」1923年 「座る女性と猫」1923年 「青衣の女」1925年

5.藤田嗣治の買取査定ポイント

フランスを中心に海外で高く評価されている藤田嗣治は、日本国内にも熱烈なファンを持つ絵画作家です。そんな藤田嗣治の作品の買取ポイントは、作品の保存状態が良好かどうかにあるといえるでしょう。油彩や水墨画、デッサンなどの作品は経年劣化の影響を受けやすいですが、保存状態が良ければ高額査定を期待することができます。しかしながら、天才画家として不動の地位を築いているだけに、どんな作品であったとしても真作であれば市場需要は高いでしょう。
  • 保存状態は良好か
  • 真作であるか
  • 付属品等が付いているか

6.藤田嗣治の買取相場価格

藤田嗣治の買取相場価格は、約3万円から50万円ほどです。猫好きならぜひ手に入れたいと思うであろう藤田嗣治の作品「猫」は、1926年に制作された水彩画です。日本画の東洋的要素が強いこちらの作品は、経年劣化によるヤケやシミが見られ、確かな真作保証がなされていないにもかかわらず約50万円で取引されました。また、リトグラフ作品の「猫を抱く少女」は、直筆サイン入りで約30万円で取引されています。

7.藤田嗣治の買取についてのまとめ

藤田嗣治の作品は市場需要があり、なおかつ高額取引を期待できる絵画作家の一人です。彼の作品は繊細で抒情的ですが、それと同時に脆弱でデリケートな作品が多いといえるでしょう。藤田嗣治は経年劣化による影響を受けやすい技法を絵画制作時に用いましたから、高額査定を希望するなら作品の保存状態に気を配りましょう。