菱田春草(ひしだ しゅんそう)を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.菱田春草を売りたいお客様へ

菱田春草は、明治時代を代表する日本画の絵画作家です。斬新な技法を保守的な日本画の世界に取り入れ、「天才」と称えられました。若くしてこの世を去った菱田春草ですが、明治期の日本画家の中でも重要文化財に指定された作品がもっとも多く、素晴らしい才能の持ち主であったことがわかるでしょう。岡倉天心に師事し、横山大観らと共に日本美術院の創設に参加しました。

2.菱田春草についての解説

日本画の大家・横山大観に、「菱田春草のほうがずっと(絵が)上手い」といわしめた菱田春草。彼は遠近感を色彩の濃淡で表現し、日本画の作品の中で距離感の追求を行いました。菱田春草は師である岡倉天心の提案を受けて、横山大観と共に無線描法を確立します。しかし、空間表現を実現しようと、輪郭線を描かない無線描法(没線描法)によって作品制作を行った際には、色彩がぼんやりして不明瞭になったため「朦朧体」と揶揄されてしまいます。ですが、技法を磨き続けた菱田春草は、色彩の濃淡で奥行きのある作品を制作することに成功しました。

3.菱田春草の歴史

1874年、菱田春草は長野県に生まれます。13歳で上京して狩野派の日本画家であった結城正明の画塾で絵を学びます。16歳のときに東京美術学校に入学し、岡倉天心の影響を強く受けます。学校卒業後は同校で教鞭を取るかたわら、帝国博物館のために古典の模写などを行いました。岡倉天心が辞職に追い込まれたときには教員を辞職し、日本美術院の創設に参加します。28歳のころには海外で見聞を広め、帰国後には装飾性と写実性を兼ね備えた作品を完成させます。腎臓病からくる失明の危機に陥りながらも、新しい日本画を描くことに熱意を燃やした菱田春草は、36歳という若さで惜しまれながらこの世を去りました。

4.菱田春草の代表作品

「寡婦と孤児」1895年 「王昭君」1902年 「賢首菩薩」1907年 「落葉」1909年 「黒き猫」1910年

5.菱田春草の買取査定ポイント

菱田春草の作品の買取査定ポイントは、真作かどうかにあります。当時は朦朧体などと批判をされたものの、その後菱田春草の作品は高く評価されることになります。人気の高い絵画作家には贋作が付き物ですから、菱田春草の作品にも贋作があると考えて良いでしょう。また、複製画が多く作られていると考えられますが、原画からの複製画ではない可能性もあります。原画から複製された絵画ではないと価値が低くなりますから、もしも菱田春草の作品の売却を考えているのであれば、真作かどうかを確認しておくようにしましょう。
  • 真作かどうか
  • 鑑定書は付いているか

6.菱田春草の買取相場価格

菱田春草の作品の買取相場価格は、約7万円から30万円ほどとなっています。例えば、「秋七草と月の図」と題された作品は、約27万円で取引されました。こちらの作品は肉筆で、日本南画鑑賞会主幹の西村南岳の鑑定箱付きで出品されていました。また、菱田春草といえば猫好きに人気の高い絵画作家ですが、猫を描いた作品「黒き猫」は約6万円ほどで取引されています。こちらの作品は、絹に描かれた絹本で落款が施されています。

7.菱田春草の買取についてのまとめ

日本画に西洋的技法を取り入れて、新しい日本画を確立した菱田春草。明治時代の日本画の絵画作家の中でも菱田春草の作品は人気が高く、市場需要があります。ふんわりと柔らかな色使いが特徴的な菱田春草の作品の中でも、特に猫をモチーフにした作品は人気が高いといえるかもしれません。菱田春草の作品を売ろうとお考えなら、鑑定書や付属品なども揃った状態で査定に臨みましょう。そうすることで、高額査定を期待できるでしょう。