伊東深水(いとう しんすい)を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.伊東深水を売りたいお客様へ

伊東深水は、美人画で有名な日本画・版画の絵画作家です。女性の優美で繊細な描写だけにとどまらず、作品の色彩にこだわりました。20代で人気画家となった伊東深水ですが、美人画があまりにも人気を博したため、ほかの題材で作品を制作したくても美人画の注文が殺到してできなかったといわれています。伊東深水は、明治末期から大正にかけて起こった一人で版画作業を行う創作版画運動に対して、彫りや摺りを分業する方法の新版画運動を展開しました。

2.伊東深水についての解説

浮世絵師でもあり日本画家・版画家でもあった伊東深水は、色彩にこだわったといわれています。新版画を代表する伊東深水ですが、版画を制作する際には納得のいく色が出るまで摺師(すりし)に何度も注文したことからも、彼の色彩へのこだわり具合を知ることができるでしょう。また、大正時代に制作された伊東深水の美人画と、昭和に入ってから制作された美人画では作風が異なります。物憂げさや悲しみといった感情が表現された大正時代の美人画に比べ、昭和時代は当時の女性たちが好んだ流行が絵の中に取り入れられており、内面の表現よりもどこかグラフィックデザインを思わせる作品に仕上がっています。

3.伊東深水の歴史

伊東深水は、1898年に東京で生まれます。東京印刷株式会社の活字工として忙しく働くかたわら、日本画を学びます。1911年には風俗画で有名な鏑木清方に師事し、「深水」の号を与えられました。15歳のときに第12回巽画会展に出品した作品が入選し、以降文展や帝展などで入選を繰り返します。活字工を辞めて新版画運動に参加した伊藤深水は、新聞に挿絵を描く仕事をはじめます。1927年に画塾を設立し、1932年には人物画の復興を目指して「青々会」を設立します。後進の育成にも積極的だった伊東深水は、1948年に「鏡」と題した作品で日本芸術院賞を受賞しました。

4.伊東深水の代表作品

「遊女」1916年 「明石の曙」1916年 「聞香」1950年 「吉野太夫」1966年

5.伊東深水の買取査定ポイント

伊東深水の買取査定ポイントは、真作かどうかにあります。伊東深水は存命中から人気のある絵画作家でしたから、その人気にあやかろうと贋作が出回った可能性は十分あるでしょう。真作であると証明するために、鑑定機関に鑑定に出すことができます。伊東深水の鑑定であれば、東京美術倶楽部鑑定委員会に依頼することができるでしょう。真作であると認められた場合には鑑定書が発行されますから、査定時に作品と一緒に提出しましょう。また、保存状態の良さも大切です。査定時には経年による劣化もチェックされますから、大切に作品を保管しておくようにしましょう。
  • 真作かどうか
  • 鑑定書は付いているか
  • 保存状態は良いか

6.伊東深水の買取相場価格

伊東深水の作品の買取相場価格は、約2万円から40万円ほどとなっています。伊東深水が日本経済新聞掲載用に描いた作品「新装」は、約32万円で取引されました。こちらは東京美術倶楽部鑑定委員会による鑑定書が付いており、真作と保証された作品です。また、「秋晴」と題された作品は、約22万円で取引されました。こちらの作品は、共箱と美術倶楽部鑑定員会による鑑定書が付いた状態で出品されました。

7.伊東深水の買取についてのまとめ

美人画や風俗画、そして風景画などの作品も制作した伊東深水は、近代日本画を代表する絵画作家の一人です。存命中から売れっ子だった伊東深水は、現在でも熱烈なコレクターを有しています。ノスタルジアを感じさせる美人画は特に人気で、高額買取が行われています。もしも伊東深水の作品を売ろうと思っているのなら、鑑定書付きで査定に臨み、真作保証をしっかり行えるようにしておきましょう。