岸田劉生(きしだ りゅうせい)を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.岸田劉生を売りたいお客様へ

岸田劉生は、大正から昭和の時代にかけて活躍した洋画の絵画作家です。38歳でこの世を去るまで精力的に創作活動に励みました。油彩画や水彩画をはじめ、墨画や版画などにも挑戦し、数多くの装丁画を制作しました。精緻な写実描写で内なる美を表現しようとし、後に宋元画や浮世絵といった東洋の美に心惹かれて作品に反映させようと努めます。少女から大人になるまでの愛娘・麗子を描いたシリーズが有名で、日本近代美術史を代表する絵画作家として知られています。

2.岸田劉生についての解説

天才画家として名を馳せた岸田劉生といえば、「デロリ」作品が最大の特徴だといえるでしょう。「デロリ」とは、奇怪でグロテスクなビジュアルインパクトを持つ作品のことを指します。そもそも、岸田劉生が甲斐庄楠音の強烈なインパクトを与える作品を「デロリ」だと例えたことに始まりますが、大正期はそんな「デロリ」作品が多く生まれました。岸田劉生の麗子像も「デロリ」作品の一つに数えられており、一度見たら忘れられないほど個性的な作品に仕上がっています。

3.岸田劉生の歴史

1891年、岸田劉生は実業家の岸田吟香の四男として東京に生まれます。17歳の頃に黒田清輝に師事して絵を学び、1910年には文展に出品した2点の作品が入選を果たしました。美術家集団・フュウザン会を結成し、第1回の展覧会には多くの作品を出品します。1915年からは草土社展に出品するようになり、1922年までに9回開催された展覧会に毎回作品を出品しました。1918年頃から娘の肖像画を描くようになり、数多くの作品を残しています。関東大震災の影響で京都に、そして後には鎌倉に居を移した岸田劉生。1929年には初めての海外旅行で大連やハルビンを訪れました。パリに行くことを夢見ていた岸田劉生でしたが、その夢かなわず、わずか38歳で短い生涯を閉じました。

4.岸田劉生の代表作品

「道路と土手と塀」 「近藤医学博士之像」 「林檎を持てる麗子」 「毛糸肩掛せる麗子肖像」 「麗子微笑」

5.岸田劉生の買取査定ポイント

岸田劉生の作品の買取査定ポイントは、真作であるかどうかです。20年ほどの画業の間に画風が変わっていった岸田劉生ですが、インパクトのある麗子像の作品で抜群の知名度を誇る絵画作家だけに、贋作が多く流通しています。高額査定を期待するのであれば、贋作でないことを証明できる保証書や鑑定書が必要になるでしょう。また、作品の種類によっても査定額が異なり、一般的に油彩作品は価値が高いといわれています。しかしながら、ファンが多い絵画作家だけに、デッサンや鉛筆画の作品でも買い求めたいという熱心なコレクターが存在しますから、どんな作品であれ一度査定に出してみることができるでしょう。
  • 真作かどうか
  • 作品の種類
  • 鑑定書は付いているか

6.岸田劉生の買取相場価格

岸田劉生の作品の買取相場価格は、約2万円から50万円ほどとなっています。「某戯図」と題された掛け軸の作品は、約46万円で取引されました。保証書が付いているこの作品は、真作証明済みの作品として出品されていました。「花」と題された静物画は、娘である岸田麗子の鑑定シール付きの作品として出品され、10万円ほどで取引されました。

7.岸田劉生の買取についてのまとめ

市場需要の高い岸田劉生の作品は、真作であることを証明できれば高額取引を期待できます。贋作が多く流通している岸田劉生の作品は、たとえ模写だとしても作品の完成度が高ければ買い手が見つかるといわれています。ですから、作品の真作証明ができるなら、高い査定額が提示される可能性が十分あるでしょう。作品の出どころが真贋判断の手掛かりになる場合もありますから、作品そのものだけではなく共箱や黄袋など、作品の付属品も大切に保管しておくようにしましょう。